近年では美容治療に関する情報を耳にする機会も増えており、中でも落ちにくい脂肪にピンポイントでアプローチできる脂肪吸引は、多くの美容クリニックで行われている施術の一つです。
その中でも代表的な機器として比較されることが多いのが、「アキーセル」と「ベイザー」です。
この記事では、最新の脂肪吸引機「LSSA(エルサ)」を製造・販売する医療機器メーカーの視点から、アキーセルとベイザーの仕組みや違い、目的・部位別の選び方を分かりやすく解説していきます。
アキーセルとベイザーの違い|まず知っておきたい仕組みと特徴
脂肪吸引ではさまざまな機器や術式がありますが、「アキーセル」と「ベイザー」では、脂肪にアプローチする方法が全く異なります。
まずはそれぞれの仕組みや特徴を見ていきましょう。
アキーセルとは?振動で脂肪をほぐして吸引する仕組み
従来の脂肪吸引では、医師が手動でカニューレ(吸引管)を動かして脂肪を吸引する方法が一般的でしたが、アキーセルはカニューレに高速の振動を与えることで、脂肪組織をほぐしながら吸い出していくタイプの脂肪吸引機器です。
この振動によるアプローチにより、比較的広い範囲である「お腹」や「太もも」などの部位で使用されるケースもあります。
ただし、実際の施術方法や適応は医師の判断やクリニックの方針によって変わる場合もあります。
ベイザーとは?超音波で脂肪にアプローチする仕組み
アキ―セルは吸引管が高速で振動しながら吸引するタイプでしたが、ベイザーは超音波のエネルギーを使って脂肪にアプローチするタイプの脂肪吸引機器です。
いきなり脂肪を吸い出すのではなく、事前に「プローブ」と呼ばれる細い棒状の器具を使って、脂肪をドロドロの液状に乳化させる前処置の工程が入り、その後にカニューレで脂肪を吸引する流れになります。
周辺の組織をのこしたまま脂肪だけを溶かすため、硬い脂肪や広範囲の脂肪をしっかり除去したい場合に効果を発揮します。
アキーセルとベイザーの違いを分かりやすく整理
それぞれの基本的な仕組みはご理解頂けたかと思いますが、アキーセルとベイザー、この2つの最大の違いは、脂肪にアプローチする仕組みが異なるという点です。
アキーセルは「カニューレに振動を与えて脂肪をほぐして吸い出す」のに対し、ベイザーは「超音波の熱エネルギーで脂肪を液状に乳化してから吸い出す」という技術的な違いがあります。
このように、脂肪に働きかける方法が異なるため、施術の流れや特徴、使用される場面などに違いが生まれることがあります。
目的別、部位別でどっちを選ぶべきか?に関しては、後ほど詳しく解説させて頂きますが、どちらの機器が使われるかは施術部位や医師の考え方、クリニックの方針などによって変わる場合がほとんどです。
ダウンタイム・内出血・痛みの出方に違いはある?
脂肪吸引を検討する際、特に気になるのがダウンタイムだと思いますが、実際のダウンタイムは機器だけで決まるものではありません。
ただし、一般的にはベイザーよりもアキ―セルの方がダウンタイムは短いと言われています。
(※)また、どちらの機器も従来の昔ながらの手動吸引に比べると、内出血や腫れ、痛みは大幅に軽減される構造になっています。
ベイザーは超音波で脂肪をしっかり乳化して周辺組織を温存できるため、皮膚の収縮効果(引き締め効果)が高く、術後のたるみが出にくいとされています。
一方で、アキーセルは熱エネルギーを使用しないため、ヤケドのリスクがなく、術後の痛みや内出血が比較的軽く済むと言われています。
ただし、吸引する脂肪の量や施術部位、医師の技術、術後のケアなどによっても大きく変わるとされているため、機器の特徴だけで判断するのではなく、施術内容や医師の説明を確認したうえで検討することが大切です。
(※傾向として語られる事が多いという意味です)
アキーセルとベイザーどっちを選ぶ?目的別・部位別の考え方
ここまでご紹介したように、それぞれの機器には得意とするアプローチや吸引方式が異なります。
実際の施術では、患者の体型や脂肪の付き方、医師の施術方針なども考慮して機器が選択されるため、必ずしも「どちらが優れている」という単純な比較になるわけではありません。
ここでは顔や体などの部位別に、どちらの機器が適しているのか具体的な考え方を見ていきましょう。
顔の脂肪吸引ならアキーセルとベイザーどっち?
顔周りの脂肪吸引は、頬や顎下など、非常に狭い範囲でミリ単位の繊細なデザインが求められる、とてもデリケートな部位です。
そのため、極細のカニューレで微細な振動を与えながら少しずつ丁寧に脂肪を取り除けるアキーセルの方が、術後の凹凸(ボコつき)リスクを抑えやすく、顔の施術に向いていると言われています。
もちろんベイザーも皮膚の引き締め効果を狙って使用されることがありますが顔は神経や血管が密集しているデリケートな部位であるため、超音波の熱エネルギーによるダメージにはより慎重な操作が求められます。
なお、顔の脂肪吸引に絞った違いやダウンタイム、ベイザーが必要かどうかについては以下の記事で詳しく解説しています。
お腹・太ももなど広範囲の脂肪吸引はどっち?
お腹や太ももといった広範囲で皮下脂肪が厚い部位には、超音波で脂肪を強力に乳化させて大量に吸引できるベイザーが選ばれるケースが多くなります。
特に背中や太ももの外側など、線維質が多くて硬い脂肪がついている場所でも、ベイザーの超音波振動で柔らかく乳化させる事でスムーズに除去でき、大量吸引後の皮膚のたるみも防ぎやすいのがメリットです。
一方、アキーセルでも広範囲の吸引自体は可能ですが、硬い脂肪を効率よくしっかり取り除きつつ引き締めたい場合は、ベイザーを推奨するクリニックが多い傾向にあります。
脂肪豊胸を前提に良質な脂肪を採取するならどっち?
お腹や太ももから吸引したご自身の余分な脂肪を捨てずに、バストや顔のくぼみに注入して自然なボリュームを出す「脂肪豊胸(脂肪注入)」という人気の施術があります。
この施術で美しい仕上がりを実現するためには、採取した脂肪細胞が「生きたままの健康な状態」であることが絶対条件となり、吸引時に細胞がダメージを受けて死んでしまうと、注入しても体に吸収されてしまったり、しこりの原因になったりしてしまいます。
そのため、熱を使わずに微細な振動だけで優しく脂肪をほぐして吸い出すアキーセルは、細胞を破壊せずに良質な脂肪を確保しやすいため、脂肪注入を前提とする方に非常に適していると言われています。
一方でベイザーは、超音波の熱で脂肪をしっかり溶かして吸引する仕組み上、どうしても細胞への熱ダメージが避けられず注入後の定着率が落ちるリスクがあるため、将来的な脂肪活用まで見据えている場合はアキーセルを選ぶのが一般的です。
アキーセルとベイザーどっち?迷ったときの判断基準
ここまで部位別の向き不向きを解説してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきか迷った際は「担当医師の得意とする技術」なども考慮し、検討している美容クリニックにしっかりと相談するのがおすすめです。
また出来れば検討するクリニックも1つではなく2つぐらい候補を比較してください。
その点も踏まえて総合的な判断基準に軽く触れておくと、ダウンタイムの短さや脂肪注入の質を重視するならアキーセル、とにかく広範囲をしっかり吸引して術後のたるみも引き締めたいならベイザーといった基準がひとつの目安になります。
ただし、いくら優れた機器であっても扱う医師の技術力やデザインセンスが仕上がりを大きく左右するため、機器の性能だけで判断せず、ご自身の体型や脂肪のつき方に合った最適な方法を提案してくれるクリニックを選ぶことが最も大切です。
アキーセルとベイザーの併用はできる?メリットと注意点
アキーセルとベイザーはそれぞれ仕組みが異なりますが、2つの機器を同時に使うことは可能なのか、また併用が行われる理由とメリット、そして注意点について解説します。
併用が行われる理由と基本的な考え方
実はこの二つの機器は、それぞれ得意とする状況が異なるため、どちらか一方を選ぶだけでなく「組み合わせて使う」という方法が取られることもあります。
具体的な流れとしては、まずベイザーの超音波を用いて脂肪組織を乳化(細かく分解)し、吸引しやすい状態に整えます。
そのあと、アキーセルの振動を利用してカニューレの動きを補助しながら、脂肪を効率よく吸引していくという方法です。
超音波で脂肪を分解して吸引しやすい状態を作り、その後に振動アシストでスムーズに吸引するという役割分担を行うことで、医師の操作負担を軽減しながら施術を進められる場合があります。
ただし、実際に併用するかどうかは、患者の状態や医師の方針、クリニックの設備によって異なります。
アキーセルとベイザー併用の相乗効果とメリット
アキ―セルとベイザーを併用することによる最大のメリットは、両者の強みを掛け合わせることで体への負担を減らしつつ広範囲の脂肪をしっかり除去できる点にあり、ダウンタイムが通常より短くなる効果に期待できます。
また、ベイザー単体で乳化させた脂肪を通常のカニューレで手動吸引するよりも、アキーセルの振動を補助として使った方が周辺組織や毛細血管を傷つけにくく、内出血や術後の痛みを抑えやすくなります。
さらに、ベイザー特有の皮膚の引き締め効果も同時に得られるため、お腹や太ももなどから大量に脂肪を取った後のたるみ予防にも繋がるという相乗効果が期待できます。
ただし、これらは施術方法の一例であり、すべての症例で同じ効果が期待できるわけではなく、脂肪量や体型、施術部位によって最適な方法は変わります。
併用が常に最適とは限らない?デメリットと注意点
ここまで紹介したように、アキーセルとベイザーの併用は、それぞれの特徴を活かした方法として行われることがありますが、すべてのケースで最適とは限りません。
併用することで脂肪が吸引しやすくなり、施術がスムーズに進むケースもありますが、2種類の機器を使用するため施術工程が増え、費用が高くなる傾向があります。
また、機器を組み合わせた脂肪吸引は操作の難易度が高く、十分に扱える医師が限られている為、同じ施術方法であっても医師の経験や技術によって結果に差が出る可能性があります。
さらに、脂肪量が少ない部位などでは単独の機器で十分な効果が期待できる場合もあり、必ずしも併用が必要とは限りません。
脂肪吸引では機器の種類だけで結果が決まるわけではなく、体型や脂肪の付き方、吸引量などを踏まえたうえで、医師が症例ごとに適した方法を判断することが重要です。
アキーセルとベイザー脂肪吸引の注意点とデメリット
先ほどは、「アキ―セルとベイザー併用」によるメリットやデメリットについて解説しましたが、ここからはそれぞれの脂肪吸引のデメリットやリスク、注意点などについてご紹介させて頂きます。
ベイザー脂肪吸引のデメリットと熱傷リスク
超音波エネルギーを利用するベイザーは、硬い脂肪を効率よく乳化できる点が特徴ですが、一方で超音波を利用する仕組み上、施術中には熱エネルギーが発生するため、その管理が重要になります。
脂肪を乳化させるためのプローブは、操作方法によって周囲組織に熱エネルギーを伝える可能性があります。
通常は適切な設定や技術によって安全に行われますが、同じ場所に長く留まったり、角度を誤ったりすると、皮膚や周辺組織にやけどを引き起こすリスクがあります。
特に皮膚のすぐ下にある浅い層の脂肪を吸引する場合には、表面への影響を十分に管理する必要があります。
そのためベイザー脂肪吸引では、機器の特性を理解したうえで安全に操作できる医師の技術や経験が重要になると言われています。
アキーセルで理解しておきたい注意点
熱エネルギーを使用しないアキーセルは、ベイザーのような熱によるやけどのリスクが比較的少ないですが、一方で皮膚の引き締め効果についてはベイザーと比べて限定的とされる場合があります。
大量の脂肪を取り除く場合には、皮膚の状態によっては術後のたるみが気になるケースもあるため、アキ―セルよりベイザーの方が適切な施術として推奨されるケースもあります。
また、アキーセルはカニューレを微細に振動させながら脂肪を分離して吸引する仕組みなので、術後には腫れや内出血が起こる可能性があり、一定期間の圧迫固定やダウンタイムが必要になります。
さらに、振動するカニューレを狙った脂肪層で正確に操作するには、高いコントロール技術が求められる為、執刀医の経験や技術が仕上がりを大きく左右すると言われています。
知恵袋などの口コミや体験談を見るときの注意点
脂肪吸引について調べると、知恵袋やSNS、口コミサイトなどで多くの体験談を見ることができますが、脂肪吸引の結果やダウンタイムは個人差が大きく、同じ機器を使用していても施術方法や医師の技術によって経過が変わることがあります。
そのため、口コミだけで「この機器は危険」「この方法が一番良い」と判断するのは注意が必要です。
実際の施術を検討する際は、症例写真や医師の説明、施術方法などを確認しながら総合的に判断することが重要になります。
メーカー視点で見る脂肪吸引機器の進化と新しい選択肢
脂肪吸引の技術は日々進化しており、患者様の体への負担を減らしつつ美しい仕上がりを実現するために、絶えず新しい機器が研究・開発されています。
ここでは既存機器の仕組みを踏まえたうえで、メーカー視点から見た最新技術の進化と次世代の選択肢について解説します。
従来の脂肪吸引機器で課題になりやすかったこと
従来の脂肪吸引では、医師が自らの手でカニューレを何度も往復させながら、物理的に脂肪を削り取っていく方法が主流でした。
仕組み自体はシンプルですが、医師の体力的な負担が大きく、背中や太ももの外側などに多い「硬くなった脂肪」を吸引する場合には、どうしても手術に時間がかかる傾向がありました。
その結果、施術時間が長引くことで周囲の組織に余計な負担がかかってしまったり、比較的太いカニューレを使用するケースでは傷跡が目立ちやすくなるなど、患者と医師の双方にとって負担の大きい施術になりやすいという課題がありました。
その後、技術の進歩によって「振動」や「超音波」などを利用して脂肪へのアプローチを補助する機器が登場し、脂肪を吸引しやすくすることで施術の効率や安全性は大きく向上しました。
しかし、完全に課題がなくなったわけではなく、脂肪の硬さや部位によって吸引効率に差が出ることや、脂肪吸引ではカニューレを挿入するために数ミリ程度の皮膚切開が必要になる点など、依然として技術的な課題は残っています。
アキーセルとベイザーの違いから見る技術的課題
ここまでお話ししてきたように、アキーセルとベイザーには、それぞれ「良いところもあれば、どうしても避けられない弱点もある」というのが正直なところです。
ベイザーは超音波の力で脂肪を液状に乳化させるパワーに優れていますが、その分だけ熱によるやけどや細胞へのダメージというリスクがつきまといます。
一方でアキーセルは、振動で優しくほぐすため細胞への負担は軽いものの、皮膚を内側から引き締める力はどうしても弱くなってしまいます。
出来れば、超音波のパワーでしっかり脂肪を乳化させ、皮膚も引き締めながら、やけどのリスクや細胞へのダメージは最小限に抑えたい。
さらに、効率よく脂肪を取りながら、患者様の体への負担(傷跡やダウンタイム)もできるだけ減らしたい。
これが、新しい時代の脂肪吸引機器を開発する私たちメーカーにとって、どうしても越えなければならない技術的な大きな壁となっていたのです。
LSSA(エルサ)とは?第4世代超音波脂肪吸引機の特徴
これまでの脂肪吸引が抱えていた「超音波の引き締め効果は欲しいけれど、熱のダメージはできるだけ減らしたい」という課題を解決するために登場したのが、第4世代と呼ばれる超音波脂肪吸引機「LSSA(エルサ)」です。
LSSAは、従来の超音波機器の仕組みをベースにしながらも、脂肪組織に伝えるエネルギーの波長(周波数)をより細かく調整しています。
周辺の血管や神経、そして吸い出す脂肪細胞への熱ダメージを最小限に抑えつつ、ターゲットとなる脂肪だけを効率よく乳化(液状化)できる構造になっています。
これにより、超音波ならではの「皮膚を引き締める効果」を活かしながら、最大のネックだったやけどのリスクや体への負担を大きく減らすことが可能になりました。
また、患者様への負担軽減だけでなく、実際に手術を行う医師の「扱いやすさ」も重視した造りになっています。
機械の操作性が良く、医師が無理なくスムーズに施術を進められることは、そのまま手術時間の短縮や、術後の仕上がりの良さにも繋がっていくからです。
LSSAが顔など繊細な部位や効率性の面で注目される理由
最近の脂肪吸引は、お腹や太ももといった広い範囲だけでなく、あご下や頬など、より繊細な部位のフェイスラインを整える目的で希望されるケースが増えています。
こうした顔まわりの施術で一番避けたいのは、やはり「傷跡が目立ってしまうこと」です。
LSSAが現在多くのクリニックで新しい選択肢として導入されている理由の一つが、ここにあります。
LSSAは、0.9mmという非常に細い「超極細プローブ」を採用しています。
これにより、わざわざメスで皮膚を切開しなくても、注射感覚の小さな穴からアプローチできるようになり、顔のような絶対に傷跡を残したくないデリケートな部位との相性が良い構造になっています。
さらに、先ほどお話しした「細胞への熱ダメージを抑える」という特徴があるため、採取した脂肪をそのままバストなどに注入する「脂肪豊胸」の用途としても活用しやすくなっています。
顔の微細なデザインからボディの広範囲、そして良質な脂肪の確保まで、ひとつの機器で幅広く対応できるバランスの良さが、LSSAが注目されている背景にあります。
まとめ|アキーセルとベイザーの違いを理解して最適な選択を
ここまでお話ししてきたように、アキーセルとベイザーは得意とするアプローチが全く異なります。
高周期の細かい振動で血管や組織へのダメージを抑え、内出血や痛みといったダウンタイムを軽くする「アキーセル」、超音波のパワーで広範囲の硬い脂肪をしっかり乳化させ、皮膚を引き締める「ベイザー」。
ダウンタイムの短さを優先するのか、それとも吸引量や引き締めを重視するのか、また、バストなどへ再利用する目的があるかどうかによっても選ぶべき機器は変わってきます。
実際はどの脂肪吸引が良いかよりも、検討しているクリニックで取り扱っている機器や、担当医師が得意な機器によっても選択肢は変わる可能性があります。
そして現在では、これら既存の機器が抱えていた「細胞への熱ダメージ」や「太い管を入れるための切開」といった課題に応えるべく、第4世代の超音波脂肪吸引機「LSSA(エルサ)」という新しい選択肢も登場している為、LSSAの取り扱いがあるクリニックを検討してみてはいかがでしょうか。